「自分自身に責任を持つ」
7月27日、日本人選手として初めてアメリカ野球殿堂入りを果たしたイチローさんが、表彰式典で20分間のスピーチを語りました。全篇を見ましたが、印象的なコメント・表現がいくつも含まれていました。特に「チームのためにあなたができる最も大切なことは何かと聞かれたら、私はこう答えます。『自分自身に責任を持つこと』だと」という言葉が心に残りました。そしてすぐにⅠテモテ4:16の御言とバーンズ師の「牧師として会衆のためにすることで何よりも大切なことは、自分の魂のケアをすることである」という言葉を思い出しました。
 
自分自身に責任を持つ、セルフ・ケアする方法の一つとして、太田和功一さんから教えられたイグナチオ・ロヨラの「意識の究明」は、私が自分自身を知るためにとても有益な時間になっています。特に、日常の生活や働きの中で感じる怒りや悲しみをふり返るなかで、自分の思考パターンや心の傾き・歪みに気づかされることがしばしばあり、その都度、驚きや感謝を覚えます。先日もある一人の姉妹との会話の中でもやもやしていた感情が、翌日の「意識の究明」の中で、「あの時には、『〇〇〇』と言っていたのに、今回は『△△△』と言っていた」ことに、私がこだわっていることに気づかされ、そこから私の心の傾向に思い至ることになり、大いに納得しました。
 
現在NHKラジオで放送中の「傷ついた癒やし人となる」のテキストの中で、ヘンリ・ナウエンが「私たちは、自分の人生における神の霊の働きを注意深く見分けるように招かれています。識別は生涯にわたる営みです」と述べ、自分の心を誠実に見つめるために「意識の究明」に取り組み、意識的に識別を行っていたことを知りました。改めて私も、生涯にわたって「意識の究明」を続けていきたいと決心しました。